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ソムリエの心遣い〜接客編〜

ソムリエ朝倉達也です。

またまた行われた酒類提供禁止の波。

もはや守るも守らないもその店の範疇で行われているでしょうし、それに関してはその店の判断なのでとやかく言う気もありません。

今はただ、ワインをお勧めしたい気持ちを(勉強とかの)別の方向にぶつけて、ただただ事態が落ち着くことを待つのみです。

さてさて世間はソムリエ試験のシーズンです。

僕の職場からも若手がひとり一次試験を無事に通過してくれました。嬉しいことです。

僕もソムリエバッジを着けてダイニングに立った時の感動は今でも忘れられません。

当時の僕も職場には6名のソムリエがいました。その中の1人の先輩がソムリエとしての考え方などを色々若い頃の僕に教えてくれました。

例えば、「どこでお客様と会うかもわからないし、いつお誘いを受けるかわからないから、常にきちっとした格好をしておけ」などです。

それから僕は毎日会社へはスーツで出勤していました。

時折その先輩から仕事後に某外資系のバーなどに連れて行ってもらったりして、若いながらスーツを着てて恥ずかしい思いをしなかったなぁと思ったものです。

ソムリエの接客はコツ、間、タイミング

その先輩は「ソムリエの接客はコツ、間、タイミングだ」と教えてくれました。

コツはいわゆる要領ですね、核心を外さないという意味です。

例えば高級腕時計にビシッとした格好のいかにもお金持ちそうな方には、普段よりちょっと気合いの入った値段のものをお勧めするなど、、、

先輩はこれを「勇気の人差し指」と呼んでいました(笑)

はこれは天性のものでもあると思うのですが、お客様の会話がふと途切れた瞬間にワインや料理の説明をしたりするなど、快適に過ごしてもらうための技術です。

タイミングは例えばワイングラスが空になるほんの一瞬前にそれに気づいて注ぎ足しをしたり、次のグラスワインをお伺いしたりすることで

これは売り上げにつながるとても大事な部分です。

特にどれがどうで、、、なんかは教えてはもらってはないのですが、いわゆる「仕事は見て盗め」世代でしたので先輩たちの動きや接客を常に見て、何が必要かを常に考えながらダイニングで動いていました。

ある時に凄くお話をされるのがお好きなお客様がいらっしゃって、僕が若いソムリエだからと嬉しそうに色々とお話を聞かせてくださいました。僕もそれが嬉しくてついつい話を聞き過ぎてしまい、営業後に大目玉を食らったのを覚えています。一番若い僕がお客様と話すことで先輩たちの動きに穴を空けてしまったのです。これは凄く自分には刺さりました。

それ依頼、お客様とお話しする時は他のスタッフの見える位置に立ち、なおかつ1分以内にテーブルから離れることを決して忘れないようにしています。

酒類が提供できない今でこそ、ソムリエはサービスマンとしての真価が問われます。

ソムリエ資格は運転免許と同じで最低限の技術と知識を保障するものに過ぎません。

道に出て運転をし、縦列駐車もしなければスキルは上達しません。

どうかソムリエ資格を得てからも、どんどん切磋琢磨して行って欲しいものです。

一刻も早くワインを皆様に注げる日が来ることを願って。

メゾンドタカ芦屋 朝倉達也

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