7月に入り、もう間もなく梅雨明けを迎えますが、灼熱の夏を迎える準備はできていらっしゃいますでしょうか。
4月に入社した新人の私鈴木も、息つく暇もないほど毎日駆け抜けてまいりましたが、さすがに最近の暑さには少しへたりそうになりながらも、何とか負けじと頑張っております…!
先日、ちょうど梅雨の湿気でじめじめとした暑い日に、社内テイスティングで夏にぴったりのサンセールの試飲をしました。今日はそちらのご紹介をさせていただきます。
その前に「サンセール」のワインの特徴を少しご説明いたします。
サンセールとは
サンセールとは、フランスのロワール地方の中でも最も上流の中央フランス地区に位置する生産地で、ロワールと言ってもブルゴーニュに近く、すぐ北東にはシャブリが望めるロケーションです。
まず一番の特徴は「白い土地」とも呼ばれる石灰質の土壌です。
仕上がるワインは、とても硬質でミネラル感の強い味わいの印象を受けます。
生産されるワインの85%以上が白ワインで、世界的なソーヴィニヨン・ブランの銘醸地として知られています。
一般的に冷涼な産地のソーヴィニヨン・ブランは、ピーマンなどの青い野菜やハーブなどのニュアンスが強く感じられますが、サンセールでは完熟したブドウが使われるため、レモンやライム、グレープフルーツといった柑橘系フルーツのフレッシュな果実の香りが感じられます。
引き締まった酸ですっきりとした味わいで、白身魚のお刺身やレモン・ハーブを使った前菜、ロワール地方を代表するシェーブルチーズ(山羊のチーズ)などと相性が非常に良いワインです。
(個人的にこの夏にお勧めレシピは、シェーブルチーズ×桃の組み合わせです…。)
Domaine Jean Paul Picard ドメーヌ・ジャン・ポール・ピカール
今回社内テイスティングさせていただいたのはこちらです。
前述でも述べましたが、サンセール全般的に若いうちは非常に硬質感を強く感じることがあります。
ですがこのピカールのものは、硬質感×ミネラル×酸×果実感のバランスが若いうちに飲んでも非常によく、すぐお楽しみいただけるワインに仕上がっています。
夏、ということで今回のコラムでは試飲したうち、白の2本をご紹介します。
2020 Sancerre Blanc Le Chemin de Marloup
サンセール・ブラン・ル・シュマン・ド・マーループ
見た目:少し青みがかった非常に薄い金色でほぼ透明に近い
香り:ほろ苦いライム・レモンなどの柑橘系の皮を思わせる
味わい:シャープな酸と程よいミネラル感
2018 Sancerre Blanc Cuvee Prestige
サンセール・ブラン・キュヴェ・プレスティージュ
見た目:マーループより少し黄色がかっていて、少々とろっとしている
香り:ライムのような柑橘の香りに白い花の繊細な香りが足されてよりフルーティーに
味わい:樽を使っていることで酸が少し丸く柔らかくなっている、後味の余韻が長く心地良い
いかがですか?
私は個人的に2番目のプレスティージュのふくよかさと程よい樽香が非常に好きで、抜栓して2、3日目とその味わいがどんどん深く芳醇になり、まろやかになっていく変化も楽しめる素晴らしい一本だと感じました。
「ヴィンテージが若くてもすぐ開く」ドメーヌ・ジャン・ポール・ピカールのサンセール、この夏にぜひお試しくださいませ!