ソムリエ朝倉達也です。
前回に引き続き今回もワインと料理の合わせ方についてシェアしてゆきます。
何回か書いた通り、ワインと料理のマッチングは「口内での違和感を埋める作業」だと言えます。
となると単純にハーブの香りがあるワインにはハーブを添えた料理、、、という風な全ての要素の中では最も考えやすいアプローチなのではないでしょうか?
とはいえ香りの合わせかたにも、同調させるもの、対照的なもので引き立てるもの、補完をするもの、などの種類はあるのですが今回はひとまず考えやすい「同調」の部分で進めてゆきます。
LAUNAY HORIOT / POMMARD Les Perrières 2017

今回のワインはLAUNAY HORIOT /POMMARD Les Perrières 2017 です。
元フランス空軍パイロットという異色の経歴から11年による家族間との相続による法廷争いを経た現当主グザヴィエ・オリオは近年評価を上げ続けている生産者です。
プラムやザクロの可愛らしくも溌剌な香り。
味わいはくっきりとした輪郭があり、それを取り巻くような 大地を連想させるミネラル。
ポマールにしては繊細だがしっかりとアフターに残るタンニン。若くして非常に楽しめるワインです。
ワインと料理のマリアージュ

さて、ここから料理を考えてゆきます。
要素としては、、、
①ブルゴーニュワイン=石灰岩=実はワインとしては酒質は強い=肉料理
②若いピノのチャーミングさ=フルーツ、ハーブ、何を用いるか?
ピノ・ノワールといえばベリー系のチャーミングな香りがあり梅や紫蘇のような清涼感と酸味があります。
ワイン自体は軽やかなので合わせる肉も軽い肉がいいだろうということで、鶏か豚。
今回は生姜焼き用の豚ロースを梅干しと椎茸と共にソテーし、仕上げに茗荷と大葉を合わせました。ソテーした事で表面が硬くなる肉質とタンニンは合うし梅と大葉の香りは若いピノノワールには非常に寄り添います。
椎茸は全体像に少しリッチな感じを与えてくれるようなマリアージュです。
(熟成したピノノワールは醤油とか椎茸の香りがあるのです)
茹でた鶏のささみに刻んだ梅干しと大葉を和えたものとも非常にマッチングしました。
なんの大したこともない家庭でできる料理ですが、ワインの持つ香りをしっかり意識してそれに寄り添うようなイメージで料理を作るとまた面白いのではないでしょうか。
料理とワインの理論には100%の答えはないですし人の数だけロジックがあります。
大事なのはそれを考えていく過程です。
いかにそれを楽しめるか、それを他人に納得してもらうか、それが重要です。
皆様のより素敵なワインライフの為に、引き続き色々シェアをさせて頂こうと思います。
メゾンドタカ芦屋 朝倉達也