ジンファンデルのスペシャリスト
ジンファンデルが濃厚で、ジャミーなワインというのは10年前の話だ。カリフォルニアの先端を行く造り手たちは、ピノ・ノワールのようにエレガントで、産地の個性を生かした「ジン」を造っている。
エドミーズもその一つだ。スパークリングワインも産するメンドシーノ郡の山岳部にも、畑を有する。冷涼な気候と表土の薄さを生かして、エレガントだがコクのあるワインを世に出している。ワインメーカーはベン・サラザー。パーカーポイント100点を連発するロコヤやカーディナルのワインメーカー、クリス・カーペンターから、山岳部のブドウ栽培を学んだ。砕いたイチゴや砂利、タバコの香りがするところが、ナパやソノマのジンファンデルとは一線を画している。
エドミーズの創設者はドナルド・エドミーズ博士。1963年にメンドシーノ郡フィロの町に、ブドウを植えたところから始まった。88年にジェス・ジャクソンに買収され、ジャクソン・ファミリー・ワインズの傘下に入った。ジャクソン・グループは、個性的なワイナリーが多い。ロコヤとカーディナルも「山で造るカベルネ」のスペシャリスト。ベンはクリスの優秀な弟子だ。ワイナリー間の人的な交流が盛んで、それが品質の向上につながっている。
単一畑も手掛けるが、まずは「エステート・メンドシーノ・カウンティ」から。ジンの見方が変わるのは間違いない。