シャサーニュ・モンラッシェのトップクラス
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優れた造り手のひしめくシャサーニュ・モンラッシェにあって、ベルナール・モローは進境著しい注目株だ。
歴史をさかのぼると、19世紀のオーギュスト・モローにたどりつく。ベルナールが1960年代に相続し、基礎を築いた。息子の4代目アレクサンドルとブノワ兄弟が、2000年からドメーヌを運営している。アレクサンドルは栽培、ブノワは醸造を担当。評価はうなぎ昇りだ。
ワイン・アドヴォケイトのブルゴーニュ担当ニール・マーティンは、2014年2月号でこう評した。「シャサーニュ・モンラッシェには、非常に多くのモロー家の分家があるが、ベルナール・モローは最高の1つ。今後の行方に期待して欲しい。ここのワインはトップクラスだ」と。
ブルゴーニュの権威クライヴ・コーツMWも「過去10年で品質が向上した。非常に良いワインだ」と。
リュットレゾネと人為的介入を排した醸造
13アペラシオンに広がる畑の面積は14ヘクタール。白ワインよりも赤ワインが多いのは、シャサーニュ・モンラッシェの伝統を引き継いでいる。シャサーニュ・モンラッシェには赤ワイン向きの粘土主体の土壌が多く、1970年代までは赤ワインの生産量の方が多かった。
モローのワインは赤も白も優れているが、白ワインでトップを行くのは、1樽のみのバタール・モンラッシェを除けば、シャサーニュ・モンラッシェ・プルミエ・クリュのモルジョ。切れが良く、柑橘系、アプリコットの香りときれいなミネラル感に縁取られている。村名のシャサーニュ・モンラッシェはお買い得の見本だ。赤ワインも、ほかの生産者のシャサーニュ・モンラッシェの青さや野暮ったさとは無縁。穏やかな抽出で、上品に仕上げている。
剪定で収量を落とし、リュット・レゾネで栽培。厳しい選果の上、空気圧式圧搾機を使い、自然酵母だけで発酵される。ラッキングもバトナージュもでき
る限り行わない。ワインは濃厚さとフィネスを備えたアペラシオンの見本。この造り手の知名度は、実力に比べて低すぎる。
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