こんにちは!ミレジムの山田です。
バルバレスコが美味しく飲める季節になってきました。
収穫の秋という事でポルチーニ、トリュフなどイタリア産のキノコが入ってきております。
そのキノコに合わせやすいのがお手頃で飲める
プロドゥットーリ・デル・バルバレスコのバルバレスコ。こちらを紹介していきます。
前回、2月にバルバレスコのクリュ2アイテムのコラムを書きました。
参照の為、URLを載せておきます。
今回のバルバレスコは2017年、2018年の垂直試飲をしまして
各ヴィンテージの特徴などを含めてご紹介します。
プロドゥットーリ・デル・バルバレスコのバルバレスコは単一畑の複数ブレンドで造られたワインです。
主にポーラ、オヴェッロ、モンテステファノ、ムンカゴッタ、リオ・ソルドの区画から混乗して造られます。
ただし、2018年ヴィンテージに関しては、
ほとんどの生産者が品質の良いワインが出来なかったと言っておりました。
ディレクターのアルド・ヴァッカ氏は「品質が十分でなかったので、単一畑のボトリングは行わず、
ブレンドしたものだけを造る事にしました。」
天候などを考慮して「素晴らしいヴィンテージになるとは予想してませんでした。」
彼は、断続的な雨に加えて、収穫量が多すぎ、収穫中の天候が暑すぎたと付け加えました。
このように2018年に関しては特例ですべての単一畑のボトリングを止めて
バルバレスコにすべてを入れたワインに仕上げました。
人気のアジリ、ラバヤなどを含めた9区画がバルバレスコの集約されているのです。
ワインショップで働いていた以前の話ですが、
2002年ヴィンテージは冷夏で不作のヴィンテージになった年でした。
その時も各生産者はリゼルヴァクラスを一切造らず、バルバレスコ、バローロとしてリリースしていました。
あの時は、涼しい気候だったため、優しいタッチで上級の区画も入っていたので
瞬く間に売れた記憶がありました。
この事を踏まえて私は、今回の2018年も同じように全区画が含まれていて、
期待値がとても高くなっておりました。
2017年に関して言えば、すでに各評価誌でもオフヴィンテージながら、
かなりの評価を得ており、熟成感も感じられるので美味しさの頂点に達している
という事前リサーチで知っておりました。
~ 2017年と2018年の比較Tasting ~
実際にテイスティング。
■ バルバレスコ 2017年
前評判通り、熟成感のあるナメシ、葉巻、乾燥したハーブ、リコリス、熟れたブラックベリーの香りに
奇麗な酸と少しこなれて来た、タンニンがバランスよく何層にも垣間見てきました。
余韻も熟成感のあるニュアンスがいつまでも続く様。
2017年も早くから飲めてすぐに熟成感を感じられるバルバレスコとしては
とても素晴らしいです。通常なら10年は寝かさないと出てこない香り、味わいでした。
オフの良いところをしっかり押さえたワインになっております。
■ バルバレスコ 2018年
【1日目】
先ほどの期待値をかけてテイスティングしたところ。おや?凄い若いというかフレッシュアンドパワフル。
セメダインの様なアルコール感のボリュームに黒い果実の若々しさを全面に出しているニュアンス。
ちょっと舌がヒリヒリする感じです。
某評価誌のコメントではすぐに飲み頃で満場一致で美味しいワインと言っていたが、
今回のフレッシュすぎる味わいはバルバレスコとしてはもう少し寝かせなくては
いけないのかな?と思いました。アジリやラバヤなど素晴らしい区画が入っているから
かもしれませんが、ちょっとだけ要熟成だと思いました。
【2日目】
少しは、開きも良くなり、エレガントなタッチが垣間見えてきておりました。
ミドルの厚みはまだまだ健在で2~3年は熟成した方がさらに良くなる気配を感じます。
バルバレスコを2年程度寝かせるだけでバルバレスコ本来の美味しさを楽しめるなら
熟成した方がいいですね。
どちらも早飲みタイプですが、相対的に今飲むなら17年。
2・3年後に18年という感じで良いと思います。
プロドゥットーリ・デル・バルバレスコは沢山の生産者の組合で成り立っています。
統括のアルド・ヴァッカ氏が指揮を執り、バルバレスコをどれだけ美味しく造るかを
常に考えています。近年の高評価などもその実力が発揮された事だと思っております。
冒頭で話したポルチーニのタリアテッレにバルバレスコを合わせて
楽しい週末を過ごしてみてはいかがでしょうか!