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ロゼの季節がやってきた!

ソムリエ朝倉達也です。

いよいよ日差しも強く、ジメジメした季節になってきましたね。

市場には色鮮やかな野菜が並び、関西では鱧が魚屋さんの店頭に見られるようになると夏が来たんだなぁとしみじみ思うものです。

表題の通り、僕はロゼワインがとても好きです。

爽やかさとほのかな苦味、個性を主張しすぎない味わいは幅広い料理との相性を楽しめ、提供温度も幅広く選択できるのが強みです。

ロゼワインの多くは黒ブドウを優しく圧搾する方法か、黒ブドウの果皮などを軽く漬け込んで、狙った色味が抽出できたらそれを分離するという二つの方法から造る場合がほとんどです。

どちらの場合でも色素は皮から、渋みや苦味も皮や種から抽出されるので必然的に果皮の厚い葡萄からはしっかりとした味わいのものができる傾向となります。

今では昔に比べて多くのロゼワインをワインショップでも見かけることができますが、個人的には(北半球の)北の産地は食前酒向けで南の産地は料理と合わせて、というようなイメージで自分が選ぶときの参考にしています。

前者はドイツやスイス、フランスならブルゴーニュやロワール、酒質的にはボルドーもこっちのジャンルに属するでしょうか。

後者は南仏、イタリアやスペインなど太陽をしっかり浴びる産地です。

ロゼワインはフレッシュさを身上とするので、若いヴィンテージが良いとされますがバンドールのトップ生産者ドメーヌ・タンピエのように熟成可能なロゼもあります。

2015 Chateau des Sarrins Rosé Secret / Chateau des Sarrins

今回紹介するワインはこちら

このワイナリーはシャンパーニュのBruno Paillardがプロヴァンスで経営するワイナリーです。

25haの畑にて1995年の購入当初より有機・ビオディナミでの葡萄栽培を行い、2011年位エコセールの認証を受けました。

品種別、区画別に醸造し品種特性をしっかりと見極めた上で慎重にブレンドし、テロワールの個性を引き出しています。

このSecret(秘密)と題されたキュベは通常のロゼよりもムールヴェードルの比率を高めてより力強さを表現しつつも300mlのフレンチオークで発酵後、10ヶ月のシュール・リーと定期的なバトナージュを行いロゼワインとは到底思えない、例えるならコート・ドールのシャルドネのような複雑さやストラクチャーが見事に表現されています。

2015年と少し熟成が進んだ状態でありながらもフレッシュな桃のアロマに樽由来のブリオッシュやアーモンドの香りのバランスが心地よい。

口に含むと香りと同じ桃とブリオッシュの味わいが丸く広がり仄かなタンニンと旨みのある苦味が伸びのある余韻に心地よく続く印象。

スパイシーな鶏肉料理やグリルした夏野菜が飲んだ瞬間に欲しくなるような料理と合わせたいワインです。 

皆様も懐の深いロゼワインの世界に一度足を踏み入れてみてはいかがでしょうか? 

メゾンドタカ芦屋 朝倉達也

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