ソムリエ朝倉達也です。
4回に渡ってお送りしたワインと料理の合わせ方、いかがでしたでしょうか?
いわゆる教科書的な合わせ方ではなく、家庭的な料理で簡単に楽しめるものを考えたつもりです。
僕自身料理は趣味なので、とても楽しくコラムを書くことができました。
とは言っても人にお出しするまでもない男の料理なのですが(笑)
最近は「飲むワインを決めてから、何を作るか決める」ことが多くなってきました。
その方が今までの自分のレシピにないものを思いつけるからです。
Bodegas Toro Albalà/ Amontillado Viejísimo Solera 1922 Marqués de Poley
さて今回のお題はシェリーのアモンティリャードです。
Bodegas Toro Albalà/ Amontillado Viejísimo Solera 1922 Marqués de Poley
アンダルシア地方のモンティーリャ・モレリスで1844年から続くワイナリーです。
極甘口タイプの「ペドロ・ヒメネス」で初めてパーカーポイント100点を獲得したワイナリーとして現地では知られています。
アルバリサと呼ばれるユニークな真っ白い石灰質土壌は非常に気温の上がる。この大陸性気候においてもしっかりと水分を保ち、凝縮度の高いブドウを育てます。
深い琥珀色でメープルや炙ったナッツ、丁子やシナモンなどのベークドスパイスの香りが重なり合った非常に複雑で深いアロマ。
口に含むと一瞬甘さを錯覚させるようなカラメルの香りが広がるが潔い程に辛口。
余韻にかけてこのカラメルは長く伴い、仄かな塩気を感じさせるどっしりとしたフルボディのシェリー。アルコール度数21%を感じさせないプロポーションの整い方。
さて、何を作るか。。
ポイントとしては
・酒質が強いので肉を使ったメイン的な物
・様々なスパイスの香りがある
・仄かな塩気のバックグラウンドにはピシッとした骨太い酸味がある
という点から今回僕が作ったのは、、、
キーマカレー
今回合わせるのはキーマカレーです。(レシピは割愛)
挽き肉はアルコール度数によるオイリーなテクスチャーに合わせて牛と豚の合い挽きが良さそうです。
味わいの凝縮度と芯にある酸味に合わせてフレッシュトマトとドライトマトを合わせて野菜だけの水分で煮詰め、最後にヨーグルトを合わせました。
一緒に食べると一瞬はアルコールの高さに引っ張られますが、
最終は同じ余韻に着陸するという結果になりました。
カレー屋さんはビールを扱ってることが多いと思いますがシェリーもなかなか良いのではないでしょうか?
カレーとシェリー、もっと検証してみようと思います。
今後もこの場を借りて色々な検証をしていこうと思うのでご意見やご要望などあればどんどんお待ちしております。
一刻も早く皆様がレストランでワインを楽しめる日が戻って来るのを祈って。
メゾンドタカ芦屋 ソムリエ朝倉達也