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HOME News一覧 ワインニュース AIワインテイスティング技術「Tastry」が今年、欧州でヒット。

ワインメーカーがブレンドに最適なタンクを選ぶための人工知能システムが2021年に欧州で登場。

コンピューターにワインの味わい方を教えたハイテクベンチャー企業が、その人工知能を英国に持ち込もうとしています。

ワイナリーの製品改良に利用されているこの技術は、現在アメリカで利用されていますが、Tastryの創業者であるKaterina Axelsson氏は、このシステムを日本に持ち込む準備をしています。ここでは、このAIについて知っておくべきことを紹介します。

Tastry社は、人工知能(AI)を用いて年間数万本のワインを分析し、膨大なデータを生成することで、ワインメーカーや小売業者がより効果的に商品を生産したり、ターゲットを絞ったりするのに役立てています。

洗練されたAIは、ワインのサンプルを分析し、何千もの化合物を一貫して特定します。これらの化合物が組み合わさって、ワインのフレーバープロファイルが形成されます。Tastryは、データベースに登録されている他のワインと、そのワインの香り、質感、色を比較することができます。アクセルソンは、人間がワインを評価する際に見られる「特異性」を排除することを目指しています。

Axelsson氏は、この手法を用いてワイン推薦アプリ「Bottlebird」を開発し、2019年に小売店のワイン売り場で販売を開始しました。消費者がクイズに答え、フレーバーの好みを入力すると、ソフトウェアが適切なワインを1回目の試行で80~90%の精度で推薦し、ユーザーが追加で入力すると95%の精度まで上昇します。

THINK TANK

さらに、Tastry社は、カリフォルニア州最大のワインメーカーであるO’Neill Vintners and Distillers社をはじめとする米国のワインメーカーと直接取引を開始し、同社のブレンド工程で使用するタンクを推奨しています。

O’Neill社のワイン製造・栽培担当副社長のMarty Spate氏によると、O’Neill社では、目的の風味を作り出すために「30以上の異なるタンク」からワインを組み合わせてブレンドすることがあります。Tastry社のシステムは、どのタンクを使用すれば望ましい結果が得られるかを提案することで、ブレンドプロセスを「合理化」することができます。「Tastryは、現代のワイン醸造チームに取って代わるものではありません」とSpate氏は語っています。「しかし、そのデータはかなり強力なものになります。」

今年後半には、オンライン小売業者とのコラボレーションにより、Tastryがヨーロッパに上陸する予定です。これにより、私たちのワインの選び方、買い方、そして製造方法までもが変わるかもしれません。

Axelsson氏は、「どのような業界でも、AIとその利点について教育するには時間がかかります。しかし、ユースケースがあり、価値提案があれば、人々が本当にそれを受け入れるのは時間の問題だと思います。」と話しています。

 

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