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DNAを使ったワインのトレーサビリティーの実現可能性を示す研究.

ワインは世界的に見ても最も不純物の多い製品のひとつですが、イタリアの研究者チームは、ラベルに書かれているものがボトルに入っているかどうかを確認するために、DNAを利用できると考えています。

このような研究は他にも行われていますが、これまでのところ、研究室内の環境や小規模な生産規模、そして通常は単一のブドウ品種のワインに焦点が当てられてきました。

ピアツェンツァのカトリカ・デ・サクロ・クオーレ大学の研究者たちは、さらに踏み込んだ試みを行いました。単一品種のワインと複数品種のワインの両方を対象とし、イタリアのオルトレポ・パヴェーゼ地方にある大規模な共同生産施設「テッレ・ドルトレポ」のサプライチェーン全体で、サンプリングを行いました。

サンプルは、ブドウが生産者に出荷された時点から、粉砕および発酵後、そして瓶詰め前のワインと瓶詰め後のワインから採取されました。

「今回の研究の目的は、ワインのトレーサビリティーの実現性を、実験室ではなく大きな協同組合のワイナリーの、管理されていない現場条件で実証することでした。」と、研究者たちはジャーナル「Food Control」に書いています。

澱引き、ろ過、サーモビニフィケーション(発酵前に破砕したブドウを高温にすること)などの難しい製造工程にもかかわらず、サプライチェーン全体で両タイプのワインのブドウ品種を特定することができました。

多品種のワインでは、栽培品種を特定するのが少し難しくなりますが、それでも特定が可能です。特に、生産工程に入るブドウ品種の割合がわからない場合は、特に特定が可能となります。

ワインをタンクやボトルに入れて長期間保存すると、DNAが壊れてしまい、品種の特定が難しくなりますが、サンプルからDNAを抽出する方法を工夫することで対応できるとのことです。

Phil Taylor 20-May-2021

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