皆様はクラシックとモダン、どちらがお好きでしょうか?
音楽、芸術、料理、ワインなどなど、、全ての官能的なものを評価する分野にはこの二つの区切りというものがあります。
ざっくばらんに言わせていただくと
クラシック〜古来より生まれたものを周到しつつ、ルールや格式を大切にする。
歴史があり、伝統にのっとった正統派のもの。
いわゆるクラシックはそのものの歴史を楽しむというものです。
モダン〜クラシックからの堅苦しさを除いた現代的なもの。
伝統という枠に捉われずにより表現者によりさまざまな解釈が生まれ、人々はより自由にその表現を受け止めることができる。
、、、といったところでしょうか。
現代では低アルコール、早摘みをして酸を残す、というのが世界的にトレンドで、どっしりしたものより柔らかい口当たりと心地よい酸を残すスタイルが主になりました。それはもちろん料理自体も素材を重視して軽く、、という風潮のためでしょう。
皆様が重い、、とイメージされているカリフォルニアでさえ最近はこのような傾向が多くあるのです。
そしてガストロノミーレストランの多皿化、ペアリングの一般化なども味わいが軽さに寄ってゆく事に拍車をかけたのかもしれません。
私がソムリエ資格を取得した十数年前では、コートドールの白には舌ビラメのムニエルというような文字通り教科書通りのペアリングが推奨されていました。
さて、質問です。
このご時世で舌ビラメのムニエルを食べたことあるソムリエはどれだけいるのでしょう?
そして昨今のブルゴーニュは舌ビラメのムニエルに本当に合うのでしょうか?
そもそもムニエルの定義をご存知ですか??
この記事を見てくださった皆さまは是非身の回りのソムリエの皆さまにこの問いを投げかけてみてください。きっと様々な答えが聞けるのではないかと思います。
Chassagne Montrachet 2018 / Bouard Bonnefoy
前置きが長くなりましたが、多くの作り手がモダンで軽くなってゆく傾向の中で、このBouard Bonnefoyをテイスティングしたらハッとした気持ちになりました。
私が駆け出しの頃のブルゴーニュのクラシックな作り手といえばLouis Jadot。自身でLouis JadotのMeursaultを買って自宅でムニエルを作って合わせてみたのは20歳の頃の良い思い出です。
そのLouis Jadotを思い出させるようなクラシックな味わいがこのワインでした。
青リンゴに洋梨、核系果実のフルーツに顕著なスモーキーさのアクセント。ピリリとした酸味が表情豊かな味わいを彩る口当たり滑らかでスケールの大きな味わいのワイン。
どっしりとした印象もありつつも自然派ならではの透明感のあるピュアで奥行きのあるまさしくネオ・クラシックと名付けたいような味わいのワインです。
昔ながらのブルゴーニュだけれども決して古くなくて現代的、そんな味わいのワインを探されてる方にとてもおすすめのワインです。
日毎に寒くなりワインが美味しく感じる時期となりました。
ぜひ皆さま素敵なワインライフをお過ごしくださいませ。
いつもご覧くださりありがとうございます。
メゾンドタカ芦屋 朝倉達也