Columnコラム

HOME コラム一覧 ソムリエ知識 CMS試験を受けるきっかけ

CMS試験を受けるきっかけ

CMS試験を受けるきっかけ

日本でソムリエ資格として圧倒的に有名なのはJSA(日本ソムリエ協会)と、
そのJSAが加盟するASI(国際ソムリエ協会)です。私もJSAの一般呼称ソムリエの後、
ソムリエ・エクセレンス(旧シニア・ソムリエ)、そしてASI Diploma
(国際ソムリエ協会認定ソムリエ)を取得しました。

http://www.asi.info/

その後、さて「良いソムリエに自分はなれているのか?」と考えると、答えはNO。
というより、ますますどうすれば良いのか分からなくなるという深みにはまっていたように思います。
英語も全然話せるようにはなっていませんでした。

そこで、さらなる研鑽を積むために国内のソムリエコンクールに挑戦するように
なったのですが、これが全然予選を通過できないのです。自分なりに情報を集めて
勉強しても、意味すら分からない問題もありました。
ここで「なるほど、自分の調べうる範囲では手に負えない世界がある」と気づき、
インターネットで調べてたどり着いたのがCourt of Master Sommelier (Europe)の
サイトでした。

上海での経験

なぜ上海スタートだったのかと言うと、単純に調べた時に時間的にも距離的にも
適していたのが上海の試験だったからです。HPに記載されているオーガナイザーに
メールすると、申込書や振込先の連絡が来て、あれよあれよという間に受験することが
決まりました。

生まれて初めての中国で不安もありましたが、
自分としてはせっかくの海外で出会った日本人ソムリエと勉強仲間になれたら・・
との期待の方が大きかったので、楽しみでしかありませんでした。

しかし参加してみれば、たった一人の日本人。しかも私の名前は「Aki Sudo」なので、
アルファベット順で名前を並べられると、世界中の色々な受験生の名前の中で、
断トツの1番手になります。何をするにも2番手以降なら前の人の真似をして
乗り切れるところが、1番手なので自分が理解しないと始まらない。

MSの指示が全く理解できずに「すみません、今のは理解できません」と正直に言うと、
ヨーロッパ出身のMSはアジア人の顔を見て国籍の区別はつかないので、
中国のヤン・ルーMSに「中国語に訳して!」と指示を出します。

しかし私が日本人であることが分かっているヤン・ルーMSは困って
「彼女は日本人なんですよ・・ねえ、この中に誰か日本語話せる人いない?」と
皆に聞きますが、折悪しく誰も日本語を話せない・・
そんな迷惑をたくさんかけたことも、今となっては面白い思い出です。

振り返り

ただ、今振り返ってみると、自分以外誰も日本語を話せない環境というのは
とても良い経験だったと思います。中国のソムリエは皆とても元気が良く、
2日間のレクチャーでもどんどん挙手して発言しますし、
「何でわざわざ中国に来てるの?」
「日本で流行っているドリンクは何か?」など、私もたくさん質問されました。

また、拙い英語ながら、何とかしなければと私自身もMSにも必死で話しかけ
彼らと連絡先を交換してもらって、今でも機会があればメールすることもあります。

ソムリエとして小さな1歩かもしれませんが、私にとってはとても世界の広がる、
楽しい貴重な体験となりました。

 

戻る