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Gaviをもっと食卓へ。

2017 Gavi Alborina D.O.C.G. / Castello di Tassarolo

イエローグリーンがかった麦藁色の外観。

フレッシュなストーンフルーツのトーンに自己主張しすぎない仄かなオークのニュアンス。柑橘の花やアーモンドの華やかさが香りの輪郭を彩る。

全体的には控えめではあるが複雑さのある香りの印象。丸みのあるアタック、穏やかな酸味は樽由来の香りと合わさることで白桃のような瑞々しい味わいを形成している。ミッドからアフターにはイースティなニュアンスが現れ、余韻へと続く。

葡萄自体がストレスなく健全に育ったというイメージが湧くようなとてもフルーツのピュアさを感じる味わい。

香りに同じく味わいも控えめな部分こそあるが、弱いという意味でなくいい意味で九州の女性的な感じでそれも好感が持てる。

食事にすっと寄り添うようなワインで、何かに特化というわけでなく万能型。価格帯からしても常に家飲みに常備したいワインの一本ではないだろうか。

バローロ、バルバレスコなどの煌びやかな銘柄が名を連ねるイタリアでも最も有名なワイン産地でもあるピエモンテ州。そこを代表する白ワインがこのガヴィである。
分類としてはセミアロマティック品種でもあり、この香りでこの味わいだからガヴィです、というような断定はできないのだが戻り香にハーブを感じるのとはっきりとした鉱物的ニュアンスが背骨にあるのが印象的なワイン。

料理との懐の深さは興味深いものがあり、この控えめな香りこそが素朴な料理とマッチングするのである。

例えば枝豆、この時期は私が住む兵庫県は丹波篠山の黒枝豆が最高に美味しい。茹でたての枝豆とはとても素晴らしい味わいを発見できた。ヨード感もあるので竹輪の磯辺揚げにもとても美味しく楽しめた。
スーパーのお惣菜売り場にあるものと色々ペアリングの実験をするのにも良さそう。

ペアリングで大事なのは失敗と成功の経験の繰り返しである。いかにどれだけ自分が食べ歩きなどの経験を重ね、それを自分のペアリングに反映させて、ゲストからのレスポンスを自らの引き出しにしてゆく。

本当にその作業の繰り返しである。

でも時にはこればかりは(ペアリングを)どうしようかな。。。」というようなシチュエーションもあるかもしれない。

そんな時にこそこのような懐の広いガヴィを思い出してほしい。

きっと役に立つのではないだろうか。

2017 Gavi Alborina D.O.C.G. / Castello di Tassarolo

メゾンドタカ芦屋 朝倉達也

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