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オレンジワインと呼ばれるもの。

オレンジワイン

今ではもうお馴染みとなっているオレンジワインというジャンルがある。

これはワイン発祥の地とされてるジョージアで伝統的になされてきたワイン醸造技術のひとつで長期間のマセラシオンにより濃い色調と独特のグリッピーなタンニンを抽出する技術である。

身の回りでより簡単にイメージするなら紅茶を思い出して欲しい。

ティーパックを長期間お湯の中で置けばおくほど濃い紅茶になる。このティーパックをマスト(果皮や種が混在したもの)に置き換えれば分かり易いはず。果皮の厚い白ブドウも長期間醸せば緩やかに色調とタンニンが抽出され複雑味のある白ワインとなる。

なのでオレンジワインはいわゆる白ワインのテクニックの一つなのだが、マーケット的なカテゴライズの上でオレンジワインと名付けられた、というのが妥当であろう。

2017 Ventoux Blanc / Clos de Trias

個人的にはブドウ品種特有の個性が強すぎない品種で用いるように思える。国際的なアロマティック品種であるSauvignon BlancやMuscat, Gewürz, Viognierなどではあまりチョイスされない選択肢なのではないかと思う。

この2017 Ventoux Blanc / Clos de Trias はローヌ南部ヴァントゥ山麓ル・バルー村で作られたグルナッシュ・ブラン(80%)とクレレット(20%)を使用しています。

このテクニック独特のグリップ感のあるタンニンやストラクチャー、例えるならジャワティーのような旨みのある苦味はソムリエにとってのペアリングの幅が本当に広がるのも事実である。

特に魅力的なのがフレッシュハーブを多用するタイ料理のようなエスニック料理であろう。もしくは中華料理のような野菜を素揚げしてから油で炒めるような料理も口内のテクスチャーを同調させるのにはいいように思う。

どちらにせよ大衆料理にフードフレンドリーなワインであると言える。

ただ問題なのはこの独特な味わいはある程度のワインのテイスティング経験が必要であり、初めてワインを飲まれる方には受け入れにくいのではないだろうか。

だからこそ、オレンジワインと呼ばれるこのワインは売る人、サーヴする人はその対象へのアプローチをしっかり理解して扱うべきだと思う。

個性は長所にも短所にも成り得る。

流行りだから、ではなくきちんとそのワインの性質を理解してお勧めする。
それがワインをゲストにお勧めする我々の指名であろう。

澄んだ輝きのある干し柿色の外観。
黄色いドライフラワーやアプリコットの濃密な香りのニュアンス。
イースティな香ばしさもはっきりと感じられる。ネガティヴな要素が全く無い。味わいはリッチでいて塩気を感じる、ミネラルのグリップが全体を引き締める印象アフターにかけてシュールリー由来のじわじわとしたタンニンが味わい全体に広がり口内は心地よい苦味のあるドライな印象に終わる。

このジャンルのワインの経験がない飲み手にもお勧めがしやすいと思えるような

本当にネガティヴ要素の少ないワインであり、個人的にも今後買いたいワイン。

ワインは本当に奥深く、常に色々気づかせてくれます。

10月からはお酒が解禁になりそうですね。

みなさま、レストランでワインを楽しみましょう!!!

メゾンドタカ芦屋 朝倉達也

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