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ソムリエの心遣い〜グラスワイン編〜

ソムリエ朝倉達也です。

今回は今ではレストランの定番となってグラスワインについてお話しします。

以前ではフレンチレストランといえばコース(もしくはアラカルト)を注文して、次はいよいよワイン、、、といったシチュエーションが多かったのではないでしょうか。

Webでも頻繁にレストランでのオーダーの仕方といったサイトを多く見かけます。

そしてアメリカ発祥でここ20年くらいですっかり根付いたのがグラスワインです。

若者のアルコール離れや世間的な健康志向の増加により、ボトルワインのオーダーよりもその割合が多くなってきた傾向なります。

特に最近ではグラスワインの種類を多く取り揃えたり、ペアリングを一番の売りにしてる店も多いので今のサービススタイルの定番であると言えます。

グラスワインのメリットとデメリット

グラスワインのメリットとしては以下の点が挙げられます。

・少量で色々試すことができる

・料理ごとに楽しめる

・自分の好みを見つけることができるかもしれない

・グラスワインがちょうど自分にとっての適量だ

といった所でしょうか。基本的には顧客満足度を上げるために、、という観点ですね。

しかしこれにはもちろんデメリットなるものも存在します。

・グラスが多く必要=洗う、拭く人件費と時間

・抜栓することにより売れ残る可能性もある=食材ロス

・提供できる価格帯が店によってある程度制限される

・リストも見せてお客様にご提案をするというやりとりが無くなる

4番目の問題はセールスするスキルに直結するわけですからとても大事だと言えます。

そして僕が勤めるレストランでは邪道かもしれませんがグラスワインはリスト化はしていません。
このお客様とのやり取りする時間を大事にしたいと考えているからです。
リスト化してそれを渡してしまえばそれでオペレーション的には完結します。

スタッフは注文を聞くだけでいいので、最も簡素化して良いでしょう。

ですが人間の心理というものは恐ろしいもので値段が表記しれてしまうと、必然的に予算外の部分は目にも止めなくなってしまいますよね?

あとはどうしてもリスト化してしまうと

「リースリングないの?じゃあシャルドネで」みたいな話になってしまいますが、もしリストがなくて他にも提案できるワインがあるならば、リースリングがない=酸が高い方がいいのか or セミアロマティックであまり樽を使わない品種が好みなのか?を考慮したうえで抜栓されてるサヴォアのジャケールとかをお勧めする機会に恵まれるわけです。

もちろん最終的にはお客様がそれを飲んで納得していただくという結論が大事であるので、お客様に対してヒアリングする力、お勧めする力、そして自らがテイスティングをしてそのワインの本質を理解する力、これらが必要なのは言うまでもありません。

そしてそれに納得してもらい、それへの対価が支払われるわけです。

慣れないお客様には多少不便に感じるかもしれませんが、当店は大規模でないので可能なサービスだと思い、僕の着任時からこの方法を採用しています。

夏も終わりに近づき、秋の気配が少しずつ近寄ってきます。

食欲の秋、レストランでワインと共に楽しみたいものですね。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

メゾンドタカ芦屋 朝倉達也

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