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ソムリエの心遣い〜 調理場編〜

こんにちは、ソムリエ朝倉達也です。

緊急事態宣言が続き酒類提供が続くなか、必然的にソムリエの仕事は減るわけで、その分調理場で料理人の方々と色々話をすることが多くなるのですが、この時間は非常にソムリエにとっては大事な時間であると言えます。

お店のスタイルによって様々かもしれませんが、僕の職場は調理場とサーヴィススタッフの距離感や年齢ががとても近く、いつ調理場に入っても色々試食させてもらったり、食材や調理法などを伺っても快く教えてもらえます。

(今は提供できませんが)ペアリングのワインを考えたり、その月にセールスを強化したいワインがあるときは調理場にも試飲してもらい、味わいや仕立てなどのチューニングを行ってもらいます。

もちろん料理を作るのは人、提供するのも人ですからその日の気候や体調によってブレがあることもあるかもしれないので、そういった部分も考えなければいけません。

あとは食材もそうです。

例えばフォワグラに添える無花果が先週の大雨で収穫の際に少し水分が多くなって、凝縮感が薄れてしまった、、そんな時は通常合わせていた陰干しのアマローネではなく少し瑞々しさのあるマディラのヴェルデーリョにしてみよう、、などです。

逆に今週は気温が上がって晴れが続いたので契約農家のトマトがかなり完熟して、ガスパチョの味わいがトマトが支配的になった、、なので同じサーヴィにヨンブランでも北半球ではなく南半球にしてみよう、、などなどです。

このような感じでレストランの日常では同じようでも毎日常に異なるシチュエーションが存在します。

僕たちは年間に何百人の接客をしますがお客様にとっては年間に一度歩かないかのレストラン訪問、、我々はベストを尽くすしかありません。

AIではなく、人間だからこそできるサーヴィスの付加価値を感じてもらうべく

今日も明日も、、、皆様のご来店をお待ちしております。

一刻も早い事態の収束を願って、、、

メゾンドタカ 芦屋 朝倉達也

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