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ソムリエの心遣い〜夏編〜

ソムリエ朝倉達也です。

梅雨も明け、いよいよ夏本番ですね。

僕の勤めるレストランでもどんどん夏の食材が登場してきてはいますが、それ以外にも庭の芝刈りや店内の花の水換えをこまめにしたりと、営業中以外でも夏は色んな仕事があるものです。

そして夏は暑い!喉が渇きます!

飲み物を扱うソムリエとしては絶好のセールスチャンスです。

とは言えあくまでもソムリエはサーヴィスマンの一員。

おもてなしの心は忘れてはいけません。

今回は僕が夏に心がけてるサーヴィス方法をシェアしようと思います。

来店時の心がけ

まずは来店時。

僕たちスタッフは空調の効いた部屋でゲストの到着を待ちますが、ゲストの皆様は炎天下の中、お越しくださります。

タクシーや自家用車で来られる方も多いですが、駅から歩いてきた方などは席に着くなり暑そうな仕草をされます。

通常は先に食前酒を提供するのが普通なのですがこの時期はあえて
「お暑いのでひとまず先にお水をご用意いたしますね」
と添えてミネラルウォーターを先に食前酒より先に提供し、ゲストが快適に食事に向かえるようにこちら側から場の雰囲気を作り出せるように心がけています。

ペアリングでのワインサーヴィス時には、そのワインの表情が一番豊かになる温度帯より4度ほど低くエントリー(ゲストに注いで提供する)するようにします。

夏場はどうしてもグラス内での温度の上昇も比較的早いので、料理が口に入るタイミングでベストな温度にするためにこの方法を選択しています。

もちろんペアリングでのワインサーヴィスは料理が運ばれる前に完了しています。

ペアリングの醍醐味はそのワインを飲みながら、「このワインにどんな料理が運ばれるのだろう、、?」というゲストが気持ちを高揚させていくという所にあると思うので、料理の提供後にワインが注がれるなんてことは僕の中ではご法度です。

そしてこれは僕自身の持論なのですが、夏の店内の空調はセールスに直結すると思います。

皆様も店に到着した当初は涼しいと思っていた空調も、席で座って食事をしていたら、気がつけば寒く感じて飲み物が欲しくならないといった経験はないですか?

例えるならクーラーがガンガン効いた室内のビアホールでの一杯目のビールは格別ですが、次第に体が冷えてきてビールは進まなるようなもの。

けど一方野外で汗をかきながら飲むビールは何杯でも飲めてしまいますよね?

ですのでゲストの来店直後のホールと食事中では少しずつ空調の温度をコントロールするように心がけています。徐々に温度を高くしてゆくことで、飲みたい気持ちを後押しさせていただくわけです。

レストランでの食事は我々は「ゲストが如何に快適に過ごせるか」を考えています。

世の中はまだまだ厳しい状況が続きますが「レストランでわざわざ食事をする楽しさ」を我々は皆様に感じて頂くべく、様々な準備をして皆様のお越しをお待ち致しております。

メゾンドタカ芦屋 ソムリエ朝倉達也

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