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ワインの“ベーキングスパイス”とは?
LAURENMOWERY著

ベーキングスパイスとは?

ホリデーシーズンのクッキー、パイ、フルーツケーキ、これらの共通項はすべてに砂糖を使用していることですが、他にも同じ特徴があります。それはベーキングスパイスの辛味のある香りです。不思議なことにベーキングスパイスは、赤ワイン白ワインの共通の記述子になっています。ワイン専門家は、“ベーキングスパイス”を何に使用するのでしょうか?

通常ベーキングスパイスは、秋や冬のホリデーを想起させる芳香(種子、樹皮、根)が好まれます。英国の伝統的な料理であるクリスマスプディングは、このコラボレーションの典型です。濃厚で粘り気のあるスポンジのようなデザートは、シナモン、ナツメグ、クローブ、ジンジャー、カルダモン、オールスパイスの刺激的な風味を吸収します。

NYのユニオンスクエアカフェの元ワインディレクターでバーチャルテイスティングを主催しているJason Wagnerは、この芳香をクリスマススパイスとして疑似的に使用することがあります。「トレーニングでは、“クリスマススパイス”という用語で、すぐにジンジャー、カルダモン、クローブ、ナツメグ、コリアンダー・・・・と出てくるように、その用語の意味を確立しました。」Wagnerは、誰もがクリスマスを祝うわけではないことを考えると、その用語が完全ではないことは認めています。「しかしアメリカに住む誰もがその時期に、小売店やカフェでこのような匂いに出くわした経験があると思います。」

ワインはどのようにして温かいジンジャーブレッドや冬のスパイスラテのような香りになるのでしょうか?

それは、赤ワインのほとんどが熟成時に木樽保存するためです。

NYのソムリエでバーチャルテイスティングを主催するChris Struckは、新しいオークで熟成させたワインを説明する時に、“良くも悪くも”という用語を使用します。「フレンチオークはより風味豊かなスパイスノート、アメリカンオークはより甘いノートをもたらすことが多く、別名ベーキングスパイスとして知られています。」「またアメリカンオークはよりバニラとココナッツの香りを与えます。」

樽のサイズと焼き加減で、ワインが吸収するスパイスの量に影響を与えます。ブラウン・スピリッツの愛好家、特に新しい黒焦げの樽で熟成するバーボンを好む人は、その効果を知っています。芳香族化合物のオイゲノールは、クローブとオークの両方に含まれているため、オークスティーブチップは、スパイス香とフレーバー与えます。

特定の黒ブドウは、芳香プロファイルの一部としてベーキングスパイスを示す傾向があります。「熟したソノマ・ピノノワールの産者が思い浮かびます。」とStruck。

ベーキングスパイスの香りを特徴とする他の赤の品種には、カベルネソーヴィニヨン、シラー、サンジョヴェーゼがあります。赤ワインがホリデーアロマ全体の香りを網羅しているわけではありません。オーク熟成の白ワインといくつかの白の品種にも季節の香りを表現することができます。Wagnerは、アルザスのピノグリとゲヴュルツトラミネールからクリスマススパイスを見つけました。

ナパのRobert Sinskeyは、「後期収穫のピノグリに、しばしばそのスパイスノートが現れます。それをサンクスギビングの時に開けるのが大好きです。その時期にぴったりだと感じているからです。」

What Does ‘Baking Spice’ Mean in Wine? | Wine Enthusiast (winemag.com)

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