ソムリエ朝倉達也です。
早いもので私がソムリエとして働き始めて13年。
飲食業界に至っては20年目となりました。
まだまだ学ぶことが多く、一体自分は何を知ってるんだ?という気持ちになるほど、ワインの世界は奥深いものです。
特にここ数年の中で新興ワイン産地やナチュラルワインやアンバーワインなどなど、、目まぐるしく新たなトピックが出てきて、気がつけば一瞬で取り残されそうです。
私がワインを学び始めた時は、まだフランスが中心の頃でした。
まずはボルドーの格付け、ブルゴーニュのグランクリュ、、、体型的なものを覚えて、片っ端から近所のワインショップで買い漁ったものです。
シャブリには牡蠣、樽香にはムニエル、色々と我が家で試したものです。
その中でも印象に残ったのは、ルイ・ジャド社の村名ムルソーです。
二十歳そこらの収入ではかなり背伸びをしたワインで、ヒラメは高価でしたので、養殖の真鯛でバターたっぷりのムニエルを自作し、「このバターの風味が樽の香りと合うと言うものか、、」と思ったものです。
皆様もムルソーには力強い、濃いイメージがお有りなのではないでしょうか?
2018 Meursault / Philippe Chavy
この『Philippe Chavy / Meursault 2018』はシトラスの皮のような清涼感のある香りに、肉厚だが美しい曲線を描くボディ、
伸びやかな果実味とクリスタルのような透明感のある、まさに近代アートのようなモダンスタイルの味わい。
料理も素材の持ち味を活かした軽い傾向になりゆく今、このような表現のムルソーもまた良いものだと感じさせてくれるワインでした。
これだからワインの探求に終わりはないのでしょうね。
では、また次のコラムにてお会いしましょう。
メゾンドタカ芦屋 朝倉達也