ソムリエ朝倉達也です。
最近はより知識とペアリングの見解を広げようと日本酒の勉強をしています。
日本酒も製造タイプや酵母の選択、提供温度の幅の広さなどとても興味深いものが多く何事も全て勉強だなと考えさせられるものです。
さて、このコラムを読まれてる方は何かしらワインに関わってる方々だと思うので、ワインが嫌いだ!という方はいないと思います。
でもワインが好きでも、日本酒はちょっと、、という方もいらっしゃると思います。
そしてその多くの原因は「酸と甘味」ではないのでしょうか?
一般的な日本酒には2.5%から4.5%の甘味が存在します。
ワインで言うところのMoelleuxでしょうか。
けれどワインと比べて酸度が低いためにより甘く感じてしまう訳です。
そんな日本酒への消費者との壁を壊したとも言われる日本酒が、宝酒造の「澪」というスパークリングです。
心地よい甘さと乳酸のバランスが絶妙で、低アルコールという理由もあり若い世代を中心に大ヒットをしました。
和食にも寄り添いながら爽快な泡立ちの美味しいスパークリングはないか?
と思ってたところにぴったりの味わいのワインを発見しました。
2016 Shizen Sparkling Koshu Fujisan Winery
この「Fujisan Winery / Shizen Sparkling Koshu 2016」は
ボルドー大学のワイン醸造の権威であった故ドゥニ・デュブルデュー教授が日本に訪れた際に甲州種の特徴や味わいを研究して作り出したワインです。
過度な圧搾をさけ、フェノリックの抽出を抑えることで苦味や渋みが感じられず2年間の瓶内熟成によりゆっくりと旨みを引き出しています。
輝きのあるペールイエローで気泡は力強く細かく持続している。
甲州種らしい穏やかな果実のアロマにアミノ酸による香ばしいパンの皮の香りがこのワインを口に含みたいと感じさせる、魅力的な香り。
フレッシュな酸味とアルコールのバランスが素晴らしい、ボーンドライの味わい。
力強い泡は口内で散りばめられ、口内を満たすような酸味を与える。
余韻になって現れる仄かな苦味は、素材を尊重する和食をの相性をより期待させる、クラフトマンシップなワイン。
このスパークリングワインはワイン好きにはもちろん、淡麗辛口の日本酒がお好きな方にもおすすめできるのではないでしょうか?
お酒は知れば知るほど美味しく楽しめる飲み物です。
ぜひジャンルの垣根を越えて新たな好みを見つけてみてはいかがでしょうか?
メゾンドタカ芦屋 朝倉達也